大学生になる人の内、奨学金を借りる人は3人に1人と言われています。
奨学金は学びたい人にとって必要な制度です。
私自身奨学金を借りることで進学することができたので、とてもありがたかったです。
しかし私の周りで借りている人の中には、なんとなく奨学金を借りている人もいました。
その人達は返済の段階になって後悔している人もいます。
奨学金を借りるということは、借金を負うことと同じです。
借りたことを後悔しないためにも責任感を持ち、将来の返済についてもしっかり考える必要があると思います。
奨学金制度を実施している法人や大学は多くありますが、一番有名なのは国が支援している日本学生支援機構(JASSO)の制度ではないでしょうか。
今回は実際に日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金を借りた経験から、これから奨学金を借りる人に伝えたいことをまとめました。
まずは奨学金は借金ということを認識することから始めましょう。
記事を読む時間も惜しい・今すぐに何とかしたいと思っている人は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)にすぐに相談してみましょう。
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- これから奨学金を借りる人
- 将来奨学金を利用するかもしれない人
- 奨学金の返済をした人の話を聞きたい人
奨学金とは?
奨学金とは、家庭の事情等による経済的理由で、修学が困難な学生に学費の給付や貸与をする制度のことです。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には次のような種類があります。
返済が不要。 世帯年収などの条件を満たしていることが必要。
- 第一種奨学金
無利子で借りることができる。
成績が優秀であることなど条件を満たしている人のみ利用が可能。
卒業後に返済が必要。 - 第二種奨学金
有利子(固定金利型と変動金利型がある)で借りる。
第一種よりも利用する際の条件がゆるい。
卒業後に返済が必要。
給与型や第一種奨学金は審査基準も厳しいため、第二種奨学金を借りる人が最も多くなっています。
また「給付型+第一種奨学金」or「第一種奨学金+第二種奨学金」といった制度を併用して奨学金を借りることもできます。
奨学金を借りる前に知っておいてほしいこと
奨学金は借金
冒頭でも言いましたが、奨学金は借金です。
このことをしっかり意識し、就職の事を見据えて、日々の学生生活を充実させて下さい。
いくら借りて将来いくら返すのか
奨学金は月々いくら借りるかは、自分で選ぶことができます。
もちろん借りた額が大きいほど将来の総返済額も、月々払う返済額も多くなります。
日本学生支援機構(JASSO)では返還のシミュレーションができるので、自分の返済額はしっかりと把握しておきましょう。
↓
奨学金貸与・返還シミュレーション(リンク先:JASSO)
学生の人など1人で決めることは難しい人は、親御さんとしっかりと話をして返済計画を立てましょう。
「奨学金破産」という言葉も聞くようになりましたが、自己破産した場合は連帯保証人に返済義務が移ります。
連帯保証人はほとんどの場合、親or親戚がなっているはずです。
奨学金が返済できない場合、その人たちに返済義務が移ってしまうことは覚えておきましょう。
入学金など(初年度納入金)は自分達で用意する
入学金などの初年度納入金は合格発表後、1~2週間以内に払う必要があります。
奨学金の貸与は入学後なので、奨学金を初年度納入金に当てることは出来ません。
初年度納入金は入学金に加え、授業料や設備費なども一緒に払わなければいけないため、国立や公立では100万前後、私立では150万前後のお金が必要になります。
学生時代は充実した生活を送るようにする
奨学金を早く返そうと学生の頃からバイトに明け暮れている人もいますが、返済義務が発生するのは卒業後就職してからです。
バイトに明け暮れて単位を落として、留年or退学してしまっては本末転倒です。
進学してやりたいことが勉学にしろ、部活動にしろそれだけをやるのではなく、さまざまなことに挑戦していきましょう。
勉学に励むことは大切ですが、交友関係を広めることも大切なことです。
ここで出会った人が将来大切な友人やパートナーになる可能性もあります。
奨学金の返済がつらいと感じる理由
借りていた奨学金は貸与終了後、翌日から数えて7ヵ月目から返済が始まります。
奨学金は借金と同じなので、借りていた人はその分金銭的にはマイナススタートになります。
奨学金の返済があるため、時には我慢することも必要になります。
月々の返済額の負担が大きい
返済は毎月決められた額が、銀行口座から引き落とされます。
日本は年功序列がまだまだ残っています。
そのため新卒採用の場合は手取り額も少ないので、収入に対する返済額の割合は多くなります。
例えば令和元年において初給与の平均は大学卒約21万円、高専・短大卒約18万です。
ここから社会保険料など引かれて、手取り額(実際に振り込まれる金額)は平均で大学卒は16~17万円、高専・短大卒は14~15万になります。
2年目からは住民税の支払いも始まるため手取り額はさらに減ります。
特に1人暮らしの場合は、手取り額から家賃や食費など払っていかなくてはいけないので、奨学金の返済は大きな負担になります。
思ったよりも返済残高が減らない
奨学金の返済は長期的になります。
借りる額にもよりますが、ほとんどの人が20年間ほど返済することになります。
つまり新卒採用されて勤めても返済が終了するのに、40歳前後までかかるということです。
繰り上げ返済をすべきか
奨学金は月々の返済日を待たずに前払い(繰り上げ返済)をすることもできます。
早く返したい気持ちから繰り上げ返済をすることを検討する人は私自身も含め、友人の中に多くいました。
繰り上げ返済をしたい場合は、事前の申し込みが必要で、申し込みは郵便やFAX、インターネットでできます。
私は利子のある第二種奨学金を借りていたので、繰り上げ返済を利用しました。
その経験から繰り上げ返済がおすすめな人や手続きなどを記事にしています。
繰り上げ返済について、より詳しく知りたい人は↓の記事を参考にして下さい。
奨学金の繰り上げ返済がおすすめな人と注意点-私が繰り上げ返済をした理由
メリットは利息を減らすことが出来ること
第二種の奨学金の場合、繰り上げ返済をすることで利息分を減らすことができるため、繰り上げ返済をすることで、返済総額を減らすことができます。
しかし奨学金の利率は圧倒的に低いため、減らせる利息も限られています。
例えば、令和3年3月に貸与が終了した人は利率固定方式では利率は年0.369%、利率見直し(変動)方式では年0.040%となっています。
利率固定方式
・・・貸与終了時の利率で固定され、返済終了まで変わらない。
利率見直し(変動)方式
・・・5年ごとに利率の見直しがあり、その時の日本の経済により利率は上下(変動)する。
※それぞれの上限は3%
この利率は他の教育ローンなどに比べて圧倒的に低くなっています。
そのため他の借金(ローン)があれば、そちらの返済を優先的に返済するようにしましょう。
奨学金以外の借金(ローン)の利率は以下の通りです。
比べると奨学金の利率が低いことが分かりますね。
主な借金(ローン)の利率
- 消費者金融
・・・下限金利3%、上限金利18%前後 - クレジットカード(リボ払い)
・・・15~18% - 住宅ローン(固定)
・・・平均1~2% - 自動車ローン(ディーラーローン)
・・・平均4~8%
繰り上げ返済は利息のかからない第一種奨学金では、メリットはほとんどないと思います。
利子のある奨学金を借りている人は、繰り上げ返済の前に下記のことに先に取り組みましょう。
繰り上げ返済よりも先にやるべきこと
生活防衛資金を貯める
利息が消費者金融などに比べて低いと言っても、奨学金の返済が毎月あるのは精神的に負担に感じる人も多いと思います。
しかし奨学金を繰り上げ返済するよりも、先に生活防衛金を貯めることの方が優先順位が高いです。
なぜなら何かあった時に貯金がないと金利の高い消費者金融などで、お金を借りることになってしまうからです。
目安としては、半年~1年間は収入が無くても生きていける金額を貯めておくと安心です。
生活防衛金があると病気や事故など不慮の事態にも対応できるようになります。
その結果貯金は減ってしまいますが、精神的に楽になりました。
誰にでもできる生活防衛資金を貯める方法は次の4つのステップを踏む必要があります。
4つのステップ
- 毎月の収支を把握する
- 貯金用口座を準備する
- 支出を削る
- 1ヵ月の収支を振り返る
生活防衛資金の貯め方について、より詳しく知りたい人は↓の記事を参考にして下さい。
いざという時のための生活防衛資金の貯め方-1人暮らしでも楽に1年で50万を貯める方法
返済の滞納は絶対ダメ
もし滞納した場合は、延滞金が発生したり、連帯保証人に返済を請求されたりします。
また滞納した人は金融機関のブラックリストに登録され、給与や財産を差し押さえられる可能性もあるため、返済の滞納は絶対にしないようにしましょう。
減額返還や返還猶予を利用する
もし返済できない状況になったら、必ず日本学生支援機構(JASSO)へ連絡しましょう。
奨学金は比較的融通が利く制度になっています。
一定の条件を満たしている場合、減額返還や返還猶予の制度を利用することができます。
減額返還
・・・返済期間を延ばすことで、月々の返済額を減らすことができます。
返還猶予
・・・一定期間返済を先延ばしすることができます。
手続きが必要なので、返済に困ったら必ず相談しましょう。
参考:返還が難しくなった場合(リンク先:日本学生支援機構 JASSO)
まとめ
今回は貸与奨学金(第二種)を借りた私の経験から奨学金返済についてまとめてみました。
奨学金を借りる際には返済のことも考えておきましょう。
奨学金返済は負担にはなりますが、きちんと働いていれば全額返すことができます。
場合によっては減額返還制度なども活用し、返済していきましょう。
これから奨学金を借りる人の役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。