日本伝統の発酵食品で「飲む点滴」といわれるほど栄養豊富な甘酒ですが、甘酒には米麹(こめこうじ)から作られる甘酒と酒粕(さけかす)から作られる甘酒があります。
最近ではアルコール分を含まない米麹から作られた甘酒が人気ですが、酒粕から作られる甘酒もメリットがたくさんあります。
今回は米麹にも劣らない酒粕から作られる甘酒についてご紹介したいと思います。
- 米麹との違いを知りたい人
- 甘酒の効果に興味がある人
- 酒粕の甘酒の作り方を知りたい人
米麹と酒粕の違い
米麹
米麹は蒸したお米に麹菌を繁殖させたものです。
麹菌の発酵によりお米のデンプンをブドウ糖やオリゴ糖に変えて自然な甘さを作り出します。
米麹の主な栄養成分
ビタミンB群、葉酸、食物繊維、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸
米麹から作られる甘酒は「飲む点滴」といわれています。
米麹の甘酒の効果が気になる方は↓の記事を読んでくれたら嬉しいです。
酒粕
酒粕は米麹に酵母と乳酸菌を加えて発酵させることで生まれます。
発酵の力が米麹よりも強いのが特徴です。
そのためさまざまな栄養成分が凝縮されています。
栄養価は高いですが、アルコールが少量含まれているので、子供や妊婦の方は注意が必要です。
2~3分間沸騰させるとほとんどアルコール成分を飛ばすことができます。
よく縁日など神社で出される甘酒は酒粕から作られています。
酒粕の主な栄養成分
タンパク質、炭水化物、食物繊維、ミネラル、アミノ酸、葉酸、β-グルカン、有機酸、グルコシルセラミド
酒粕のすごい効果
米麹と比べて酒粕が優れている点をご紹介したいと思います。
心血管疾患の予防
酒粕には体内の余分なコレステロール(悪玉コレステロール)の排出を促す働きがあります。
また血中の悪玉コレステロールが排泄されることで、心筋梗塞などの心血管疾患の予防に繋がります。
腸内環境の改善
近年欧米の食文化が進み、肉類の食事が増えていることに伴い、腸内環境の悪化が進んでいます。
腸内の働きが低下すると栄養が十分に吸収できなくなります。
酒粕は食物繊維も豊富で、善玉菌を増やすことができるため腸内環境を改善することができます。
また腸は免疫機能とも密接に関わっていることが分かっています。
そのため腸内環境が改善されると便秘の解消だけでなく、免疫力アップが期待できます。
冷え性の改善
酒粕には必須アミノ酸が含まれており、筋肉が強化されて基礎代謝がアップします。
また血管拡張作用もあるため、酒粕を取りいれることで冷え性の改善に繋がります。
それだけでなく、血行促進により老廃物が排出されやすくもなるので目の下のクマも出にくくなります。
その他
米麹ほどではありませんが、酒粕でも美容に効果があります。
なぜなら酒粕に含まれる「グルコシルセラミド」は、肌の保湿作用やバリア機能に関与しているため、美肌効果が期待できるためです。
また肌のコラーゲンを増やす効果や抗酸化作用もあるため、肌のハリやツヤがアップし、老化防止の効果があることも分かってきています。
手作り酒粕パック
酒粕の豊富な栄養と保湿効果を外からも取り入れたい人には酒粕パックがおすすめです。
とても簡単に手作りすることができます。
ただし、必ず目立たない部分でパッチテストを実施して肌に合うかどうか試してください。
作り方は
酒粕に同じ量の精製水を加えてよく混ぜるだけです。
(例:酒粕20gに精製水20g)
洗顔後に顔全体に塗り、5~10分後に洗い流して下さい。
自分で作るのが面倒な人はこちらがおすすめです。
酒粕を使った甘酒の作り方
- 酒粕30g
- 水90㎖
- 砂糖15g(大さじ一杯)
酒粕30gを水90㎖に溶かしてから砂糖15gを加えて、火にかけて沸騰させます。
2~3分ほどでアルコールはほとんど飛びますが、気になる人は長めに加熱してアルコールを飛ばすようにしましょう。
お好みで塩やしょうがを入れるとさらに美味しく飲むことができます。
酒粕を十分に溶かしてから火にかけましょう。
酒粕が混ざりにくい場合は30分~1時間水につけたままにしておくと、よく混ざります。
また、お湯で溶かすと水よりも早くに溶かすことができます。
まとめ
甘酒は栄養豊富ですが、飲み過ぎには注意が必要です。
1日コップ1~2杯程度にしておきましょう。
さまざまなメリットがあるので、ぜひ上手に生活に取り入れてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。