大学や専門学校に行くのに、今の時代奨学金を借りている人は決して少なくありません。
日本学生支援機構の発表では、令和元年度には約2.7人に1人が貸与奨学金を利用しています。
今も多くの人が奨学金制度を利用する中、「奨学金破産」という言葉ができるくらいに奨学金の返済ができなくなる人が増えています。
自己破産をすると奨学金などの借金は無くなりますが、信用情報に傷がつきブラックリストにのるなどデメリットが多くあります。
そのため返済がきちんとできるように社会人になったらお金(家計)の管理は必須です。
さらに返済に加えて、病気や怪我などにも備える必要もあります。
保険に入っておくのも1つの方法ですが、将来的なことも考えるとやはり貯金額を増やすことが大事になってきます。
「返済だけでも大変で貯金なんてできない」と思う人も、まずはこの記事を読んでみてください。
この記事では社会人1年目からでも、毎月3万円を返済しながら貯金できる方法をご紹介します。
結論からいうと返済しながら貯蓄するポイントは
- 先取り貯金をする
- 支出を減らす
- 収入を増やす
の3点です。
この記事では収入に対して理想的な割合を各項目ごとに記載しています。
しっかりと取り込むことが出来れば、返済しながらでも確実に貯金することができます。
ボーナスも含めると無理することなく、年間100万円以上の貯金ができるようになりますよ。
- 奨学金返済で毎月生活がつらい人
- 貯金が上手くいかない人
- 節約しているのにお金が貯まらない人
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社会人1年目の手取り平均額は?
令和2年の厚生労働省の発表によると大学卒の初任給は平均226,000円です
ただし、額面から社会保険料などの税金が引かれるため、実際に口座に振り込まれるのは額面の約80%と考えられます。
そのため初任給が226,000円の場合、手取りは180,800円になります。
参考:令和2年賃金構造基本統計調査(リンク先:厚生労働省)
貯金できない人はまず家計簿をつける
一人暮らしをしている人は自分で全てのお金の管理をしなければいけません。
きちんと出来ていないといつの間にか赤字になっていることになってしまいます。
また家計簿をつけると隠れ赤字(毎月赤字でボーナスで補填している状態)の事実にも気づくことができます。
思うように貯金が出来ない人は家計簿をつけてみましょう。
細かな項目が多いとつけるのが大変なので、ざっくりした項目でつけるのがポイントです。
手書きが面倒な人はレシートを写真撮影するだけで家計簿を自動で記録してくれるアプリが便利です。
特に「マネーフォワード」は一度クレジットカードと連動させると写真を撮る必要もなくなるので私のようにズボラな人ほどおすすめです。
↓↓
家計簿アプリはマネーフォワードがおすすめ-使ってみて感じたメリットとデメリット
最初は固定費の見直しから始める
家賃など毎月必ず出ていく支出のことを「固定費」と言います。
固定費は一度見直すことで、その後もずっと支出を減らすことができます。
そのため貯金をしたい人はまずは固定費で削減できる箇所がないか見直してみましょう。
固定費合計→120,000円 収入の約66%
- 貯金→30,000円 収入の約17%
- 家賃→54,000円 収入の約30%
- 奨学金返済→17,000円 収入の約9%
- 光熱費→8,000円 収入の約4%
- 携帯+プロバイダー料→8,000円 収入の約4%
- 保険料→3,000円 収入の約2%
残金→60,800円(180,800-120,000)収入の約34%
貯金
貯金は残った分ではなく、先に取り分けると貯金が簡単にできるようになります。
一般に「先取り貯金」といわれる方法です。
手取り- 先取り貯金
=生活費
上記のように先に貯蓄分を取り分けて、残りを生活費とするのが先取り貯金のやり方です。
先取り貯金はその仕組みを作ってしまえば、初心者でもお金を貯めることができます。
今回の場合だと貯金分の30,000円を給料からの天引きで、強制的に貯金できるようにしておくと毎月必ず貯金することができます。
月に3万円の貯金は手取り総額(180,800円)の約17%に相当します。
ボーナスを除いた手取り額の2割を貯金に回せているので、奨学金の返済中は十分ではないでしょうか。
頑張って貯金することにストレスを感じる人ほど、先取り貯金はおすすめです。
先取り貯金についてより詳しく知りたい人は↓の記事を参考にして下さい。
無理なくできる先取り貯金の方法-封筒を使わず口座を使って自動化する
家賃
家賃は収入の30%以下に抑えるようにしましょう。
180,800円の30%は54,240円なので、今回は切りのいい54,000円に設定しました。
家賃の占める割合は固定費の中で最も高くなります。
そのため、現在の家賃が収入の30%を超えている人は引っ越しも検討しましょう。
奨学金返済
奨学金の毎月の返済額は「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によると毎月平均16,800円で、平均返済期間は14.7年になっています。
ここでは切りよく17,000円で計算します。
参照:奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(リンク先:労働者福祉中央協議会)
光熱費
水道代は2ヵ月に1回の支払いが一般的です。
料金は住んでいる自治体の財政状況によっても変わってきます。
またガスはプロパンガスと都市ガスの2種類がありますが、一般的に都市ガスの方が料金が安く、同じ時間利用してもプロパンガスの方が1.5~2倍高くなります。
電気代は季節により変動しますが、やはり真夏と真冬に高くなる傾向にあります。
光熱費はガスと電気の支払いを一緒にすると割引になるのでお得です。
光熱費の節約方法は↓の記事を参考にして下さい。
1人暮らしの光熱費(ガス・電気・水道)を節約する方法-無理せず続ける方法
携帯+プロバイダー料
携帯は格安SIMにしましょう。
携帯代を3,000円以内に抑えると、プロバイダー料と合わせても8,000円以内に抑えることができます。
大手キャリアを使用している人はぜひこの機会に乗り換えをしてみてください。
格安SIMは沢山ありますが、おすすめは楽天モバイルです。
楽天モバイルについては↓の記事で詳しく書いています。
ぜひ参考にしてください。
↓↓
楽天モバイルを使ってみて感じたメリットとデメリット-料金プラン変更後について
保険料
保険は共済など3,000円でも入れる保険で、最低限掛けるようにしましょう。
保険でもしもの時に備えるよりも病気や怪我をしないように気をつける方が大切だと思います。
若い間は必要以上に保険で備えるのではなく、貯金で備えるようにしましょう。
結婚などの人生の節目には再度検討するようにしましょう。
保険については↓の記事を参考にして下さい。
必要な保険といらない保険-節約のために固定費を見直して貯金を増やそう
固定費の次は変動費の見直しをする
変動費合計→60,800円 収入の約34%
- 食費(外食費込み)→35,000円 収入の約19%
- 日用品→5,000円 収入の約3%
- 化粧品や衣類費→10,000円 収入の約6%
- 娯楽費や交際費→10,800円 収入の約6%
しかし変動費は節約が大変な上、効果が目に見えにくいのでまずは固定費の削減から取り組みましょう。
食費や日用品
節約を始める際に食費から減らそうとする人が多いですが、むやみに食費を削ると健康被害がでる可能性があります。
お金は大切ですが、一番大切なのは自分の身体です。
食事を抜いたり、栄養が偏るような食事はしないように注意しましょう。
基本は自炊することで食費を抑えます。
しかし仕事で疲れた時は、総菜など出来合いの物を利用して無理のない範囲で節約しましょう。
総菜などの他には宅食サービスを利用するのもおすすめです。
1回700円前後と外食するより安く食事を済ませることができ、電子レンジで温めるだけですむので、時間の節約にもなります。
詳しくは↓の記事を参考にして下さい。
自炊しなくても食費を節約する方法-宅食を利用するメリットとデメリット
またふるさと納税を利用して、食費や日用品を節約する方法もあります。
ふるさと納税を利用した節約方法については↓の記事を参考にして下さい。
日用品代(変動費)の節約におすすめ!ふるさと納税で楽しく節約しよう
コンビニにはなるべく行かない
コンビニは品揃えが豊富で便利ですが、ほとんどの商品が割高なのでなるべく利用しないようしましょう。
よくコンビニに行く人ほど、コンビニ通いをやめるだけで月の支出を減らすことができます。
化粧品や衣類
化粧品は流行を追わずに、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
節約のために化粧水を手作りするのも良いですが、プチプラコスメやサンプル品などを上手に利用しましょう。
洋服はアウトレット品やメルカリなどを利用すると安く買うことができます。
購入するポイントは次の2点です。
- 着回しができ、長く使用できる服
- 流行より自分に似合う服
同じような服ばかりにならないように注意しましょう。
娯楽費や交際費
節約するために友達との遊びや実家への帰省など減らし過ぎると人間関係が希薄になってしまいます。
一時的に貯金額は増えるかもしれませんが、長い目でみれば幸せから遠のいてしまうかもしれません。
自分が大切にしたい人間関係や良い思い出を作るためには、ある程度の出費も必要です。
逆に行きたくない飲み会やギャンブル(パチンコや競馬など)にはお金を使わないようにしましょう。
また見栄のために高い買い物をしたり、健康に悪いこと(タバコや過度な飲酒)は控えることも節約するには大切な事です。
毎月の貯金額を増やす方法
節約する
固定費や変動費で節約できるところは積極的に取り組んで、浮いた分を貯蓄に充てるようにしましょう。
ただし無理な節約は健康にも悪影響を及ぼし、長続きしません。
また変動費は節約に取り組んでも、目に見える結果が分かりにくいので、節約する時は固定費から取り組んでみましょう。
長続きするコツは無理のない範囲で小さなことから取り組むことです。
節約は固定費の見直しから始めよう!-固定費を見直して支出を減らす-
スキルアップをして昇給するor転職する
支出を減らすことは大切ですが、限界があります。
また節約したくない人で早く返したい人は、ぜひ昇給や転職で給与アップを目指しましょう。
給与アップが実現すればその分を貯蓄や生活費に回すことができます。
私も転職することで給与がアップしました。
転職することに不安がある人もいるかもしれませんが、転職活動自体には何もリスクはありません。
転職活動をしてみて希望する条件の転職先がなければ、今の職場で働き続けるのも1つの選択肢です。
転職について不安がある人は↓の記事を読んでみて、参考にして下さい。
実家に戻る
一番手っ取り早く貯金額を増やす方法は実家に帰ってしまうことです。
日本はまだ年功序列が残っているので、同じ会社に勤めていれば給与は上がっていきます。
また実家であれば、多くの支出を占める家賃がかかりません。
その他にも1人暮らしの時よりも支出はかからないはずです。
貯金額を増やすこと以外に娯楽費や交際費など自由に使えるお金も増えるでしょう。
1人暮らしに比べて自由は減りますが、貯蓄の面では実家に戻ることも検討の余地はあるかと思います。
副業をする
副業をして収入が増えれば貯金するペースも上がります。
本業も大切ですが、これからの時代は個人で稼ぐ力も必要になってきます。
今はWebデザイナーやプログラミング、ブログ、動画編集などたくさんの選択肢があるので、自分に合った方法を選びましょう。
ただし本業が疎かになるようなことにならないように注意が必要です。
まとめ
奨学金の返済をしながら貯金をするのは大変かもしれません。
しかし決して無理をしなければならないものではなく、無駄な支出を減らすことで誰でも返済をしながら月に3万円の貯金は可能です。
将来が不安な人ほど早めに貯金を始めてみて下さい。
年間100万円を貯金することを目指す人が多いですが、奨学金を返済しながらだと挫折してしまう可能性が高いです。
これから貯金を始める人は、まずは年間50万円貯金することを目的に始めてみてはいかがでしょうか。
今回の記事が少しでも役に立てれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。