保険は住宅購入の次に高い買い物といわれます。
しかし社会人になった時に、営業の方や両親の勧めで何となく入ったままになっている人も多いのではないでしょうか。
保険はどんなものでもいいというわけではありません。
節約する際に固定費の削減はとても大きく、中でも保険料は見直されることが多い項目です。
実際保険には入っているが保障内容を把握していない人は多くいます。
私も社会人になった時に親の勧めで何となく保険に入っていましたが、今回保険の契約更新に伴い、自分の保険の見直しをすることになったため調べたことも含めて記事にしています。
これから新たに加入しようとしている人はもちろん、更新を控えている人も是非参考にしてください。
- 保険の更新が控えている人
- 保険の見直しを考えている人
- 初めて保険に加入する人
保険を見直すきっかけ
- マイホーム購入時
- 結婚した時
- 子供が生まれた時
- 子供が独立した時
- 保険が満期を迎えた時
一般的に保険を見直すきっかけになるのは、上記のように5つです。
ライフプランを考えながらそれぞれに必要な保障を考えるようにしましょう。
今回私が保険を見直すきっかけになったのは、社会人になった時に入った養老保険が満期を迎えたからです。
満期を迎えたため、そのまま契約を更新するか別の保険に入り直すかを選ぶことになりました。
これまで満期が近いこともありそのままの状態で入っていましたが、保険の営業の方と話す機会もあったため保険について調べてみました。
保険の種類
まずは保険の種類についてですが細かく分けるとさまざまな種類があることが分かりました。
ここでは比較的独身者で入っている人が多いであろう保険について記載しています。
生命保険
生命保険は別名「死亡保険」とも言われ、以下の3種類に分類されます。
月々の保険料は
終身保険>養老保険>定期保険
のように終身保険が最も高く、定期保険が最も安くなります。
また生命保険には、特約を付けることで入院一時金などの保障をつけることができる保険もあります。
ちなみに入院平均日数は32.3日(全年齢の平均)ですが、近年は入院の日数が短くなってきており、通院しての治療が多くなっています。
参考:傷病別・年齢階級別平均在院日数(リンク先:公益財団法人 生命保険文化センター)
「当社指定の○○になった場合」や「身体障がいの状態により~」などの表現には注意が必要です。
大抵は労働者災害補償保険法施行規則の「障がい等級表」に準じていますが、必ず約款を確認して保障される障がいについて把握しておきましょう。
特に※で書かれている箇所は必ず確認しましょう。
終身保険
終身保険は保障が一生涯続きます。
しかし、その分他の生命保険よりも月々の支払い額は高くなるのが特徴です。
また、途中で解約した場合でも払戻金(解約払戻金)を受け取ることができます。
この時受け取れる解約払戻金は全額ではないので注意が必要です。
養老保険
定期保険のように保障期間は決まっていて、その期間が終わった段階で満期保険金を受け取ることができる生命保険です。
万が一、保障期間内に被保険者(加入者)が死亡した際には、満期を迎えた場合と同じ額の保険金が遺族に支払われます。
定期保険
掛け捨て保険とも言われます。
保障期間が予め決まっており、その期間内に被保険者(加入者)が死亡した際に保険金が遺族に支払われます。
ただし、保障期間が終わっても養老保険のように満期保険金はありません。
また途中で解約した場合もわずかに解約払戻金を受け取れるだけです。
しかし他の生命保険(終身保険・養老保険)と同じ保障内容でも、保険料が安く抑えられます。
医療保険
病気やけがで医療を受けた際にその費用を保障する保険です。
医療保険にも掛け捨てと積み立て型があります。
掛け捨ては保障期間が終わっても保険金は受け取れませんが、月々の保険料は安く抑えられます。
一方で積み立て型は保障期間が終わった際に保険金を受け取ることができますが、月々の保険料は高くなります。
またほとんどの場合、三大疾病(心疾患・ガン・脳血管疾患)に備える特約を付けることもできます。
三大疾病の保険に入る前に確認する点
- 心疾患には心筋梗塞のみか全ての心臓の疾患が対象か
- ガンには上皮内新生物も含めるか
- 脳血管疾患には脳卒中のみか全ての脳血管疾患を含めるか
ガン保険
ガンの診断をされて治療(手術・入院・通院)を受けた際に保険金を受け取ることができます。
若い時に入ると月々の保険料は安くすみますが、高齢になってから入ろうと思うと月々の保険料は高くなるので注意が必要です。
しかし、若い時に入っても一生保険料は上がらないということではなく、抗がん剤治療やがん先進医療特約などのように〇〇年ごとに更新しなければいけない場合があります。
更新すると当然のように月々の保険料は上がるので、契約時には更新時以降に払う月々の保険料についても必ず計算しましょう。
個人年金保険
老後の生活に必要な費用に備えるための保険になります。
公的年金だけでは不安な人が入ることの多い保険です。
契約時に決めた年齢(60歳or65歳)まで保険料を積み立てて、その後は積み立て金から一定額のお金(年金)を受け取っていく仕組みになります。
就労所得補償保険
病気やけがにより長期間働くことが出来なくなり、収入が減った時のために備える保険です。
医療保険で備えることができない在宅療養でも保障の対象になります。
ただし保障の対象外になる疾患が多いため注意が必要です。
更新が必要な保険のメリット・デメリット
メリット
- 加入当初は安い保険料で抑えられる。
- 保険の見直しがしやすい
更新が必要な保険(養老保険や定期保険など)は終身保険(更新がない場合が多い)に比べて月々の保険料は安く抑えることができます。
保険の更新時は保険の見直しに最適です。
デメリット
- 更新のたびに月々の保険料は上がる
更新が必要な保険は同じ内容の保険でも更新するとそれまでよりも月々払う保険料は高くなります。
独身者の保険の選び方
独身者の場合生命保険の加入の優先順位は低くなります。
また医療保険も公的保険があるため優先順位はそこまで高くありません。
しかし貯金額が少なく、万が一入院になった場合にお金が払えない人や収入が減った時に生活が出来なくなる可能性がある人は、少なくとも貯金がある程度貯まるまでは保険に入っておくことをお勧めします。
- 十分な貯金(生活防衛資金)がない人
- フリーランス(自営業)の人
- 病気になることが心配で、将来に強い不安がある人
- 老後資金について不安があるが、投資などの勉強はしたくない人
貯金がなかなか増えない人は下の記事を参考に貯金を増やせるように生活を見直しましょう。
生命保険
基本は不要。自身の葬儀代金を保険で準備したい人には検討の価値あり。
生命保険は加入者(被保険者)がなくなった時、遺族の経済的な負担を軽くするためのものです。
しかし独身者の場合にはこの必要性が低いと思われます。
もし自分が死亡した際のお葬式の代金などで、親や兄弟姉妹に迷惑をかけたくない場合には、その分だけ確保できる生命保険に入るのがいいのではないでしょうか。
またどうしても自分で貯金が出来ない人は養老保険などのように満期保険金を受け取れる保険に入るのも1つの選択肢です。
ただし自分で貯金が出来る人は余剰金をつみたてNISAやiDeCoなどで資産運用するほうが運用益などは期待できることは覚えておきましょう。
医療保険
- フリーランス(自営業)や生活防衛資金が貯まっていない人。
- 将来病気やけがになることに強い不安がある人
病気やけがにより医療を受けた際に受け取ることができる保険です。
公的な健康保険があるため民間の医療保険に入る際にはそのことも念頭に置いておく必要があります。
基本的に民間保険の医療保険では公的な健康保険でカバーできない費用を補う目的で入るようにしましょう。
そのためにまずは公的な健康保険でカバーできる保障について確認する必要があります。
6~69歳は医療にかかった費用は3割負担
4つの条件を満たせば傷病手当金をもらうことができる。
(傷病手当金の支給額は標準報酬月額の2/3で、最長で1年6ヵ月受給できる)
高額療養費制度による補償を受けられる
(自己負担額の上限は、ほとんどの人で9~10万円になります。)
傷病手当をもらうための4つの条件
①業務外の怪我や病気が原因
②連続する3日間を含み4日以上仕事が出来なかった
③仕事が出来ないという医師の診断書がある
④休業期間の給与が支払われなかった
個室に入院した場合の差額ベッド代
病院の食事代
パジャマなどの日用品
保険適用外の手術費や治療費
通院時の交通費
高度先進医療費
貯金がある程度貯まるまで(生活防衛資金)は、掛け捨ての最低限保障される医療保険には入っておいた方がいいかもしれませんが、その場合でも掛け捨ての保険を選ぶようにしましょう。
なぜなら医療は日進月歩で新しい治療法が生まれていますが、終身型では新しい治療法は保障の対象外になってしまう可能性が高いからです。
また今の医療現場での当たり前のことが今後20年、30年先では全く異なっている可能性もあります。
例えば入院日数は近年短くなっていますし、開腹手術のかわりに内視鏡手術や血管カテーテル治療が主流になっています。
これにより入院給付金や手術給付金の支払いが減ってきています。
また今後はロボット手術などの新しい治療法が主流になってくるかもしれません。
今後開発される新しい治療法は、終身型の医療保険だと対象外になっているかもしれない点には注意が必要です。
生活防衛資金が貯まっていない人やフリーランス(自営業)の人が医療保険に入りたい場合には掛け捨ての保険に入るようにしましょう。
ガン保険
ガン保険は不要といわれることが多くなりましたが、人によっては必要な人もいます。
- 加入することによって精神的に安心を得たい人
- ガンになった時の手術費や治療費が用意できない人
ガン保険は若いころに入った方がいい安く抑えられることが多いです。
ただしガンによっては保障外だったりすることもあるため注意が必要です。
上皮ガンと診断された場合には保障の対象にならない保険もあるので、契約時には必ずチェックしましょう。
独身者の場合は頼れる家族も既婚者に比べて少ない場合がほとんどです。
経済面の心配をせずに治療に専念したいと思う人は、加入することを検討するのがいいでしょう。
また保険に加入することで一定の安心感を得ることもできるため、将来ガンになった時のことが不安でしかたがないという人も加入する方が精神的にも良いと考えられます。
しかし、一番はガンにならないこと、次に早期発見です。
常日頃からストレスを溜め過ぎない生活や規則正しい生活を心がけ、年に一度は健康診断や内視鏡検査など身体のメンテナンスをしっかりおこないましょう。
個人年金保険
- 確定拠出年金(iDeCo)など老後資金形成方法についての勉強をしたくないが、老後の生活のための資金を貯めたい人
個人年金保険は「老後の生活のための資金」として加入することが多いと思われます。
しかしお金が増えるペースは遅く、長い期間元本割れの期間が続きます。
少しも老後資金形成について勉強したくないという人には、個人年金保険は検討価値があるかもしれません。
しかし「老後の生活のための資金」を準備するのに適しているのは保険ではなく、確定拠出年金(iDeCo)です。
確定拠出年金(iDeCo)は政府が推し進める自分で準備するもう一つの年金です。
税制上の優遇も受けることができるので、より豊かな老後生活を過ごすために検討すべき資産形成方法です。
ただし、先ほど言ったようにある程度の勉強が必要になります。
↓↓↓
iDeCo公式サイト(リンク先:iDeCo公式サイト 国民年金基金連合会)
就労所得不能保険
- 生活防衛資金が貯まっていない人
- 会社員は不要、フリーランス(自営業)の人は検討の価値あり。
就労所得不能保険は、病気やけがで働けなくなった時に定期的にお金をもらうことができますが、会社員の場合は有給休暇の利用や傷病手当金の受給などリスクにある程度備えることが出来ているため就労所得不能保険は基本的には不要です。
しかし、有給休暇や傷病手当金を受け取ることができないフリーランス(自営業)の人は、万が一病気やけがで働けなくなった時の為に入っておくこともリスクに備える上では検討の価値があります。
ただし、就労所得不能保険の保険料は他の保険に比べて高い傾向にあり、うつ病や精神疾患などは保障の対象外になる場合が多くあるため注意が必要です。
また就労所得不能保険の保険金が払われるのは、一定期間経過してからです。(免責期間)
就労所得不能保険の保障を受けられるとしてもすぐに受給できないため、しばらくは無収入の状態になってしまいます。
そのため就労所得不能保険に入っていても、生活防衛資金を貯める努力は必要になります。
もし生活防衛資金を貯めることができれば、就労所得不能保険は解約し、その分を貯蓄にさらに回すという選択肢も持つことができます。
保険のトラブルに注意
保険のトラブルは年々増えてきています。
内容が複雑になり分かりにくい点や長い説明に根負けして契約してしまったケースなどトラブルの原因はさまざまです。
国民生活センターにも生命保険関連の相談件数が多く寄せられています。
2022年12月31日時点で4,065件
(参照:生命保険関連 各種相談件数や傾向;リンク先:国民生活センター)
まとめ
保険はあくまでも貯金で賄えない分を補うためのものです。
保険に入っていなければいけないわけではありませんが、独身の頃と結婚して家族が増えた時では保険に入る意味が変わってきます。
自分のライフプランにあった保険を選ぶようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。