奨学金は年々借りる人が増えており、現在では進学した人の3人に1人は奨学金を借りています。
私自身奨学金を借りることで進学することができたので、奨学金は進学したい人にとって必要な制度だと思っています。
しかし私の周りで借りている人の中には、なんとなく奨学金を借りて就職後に後悔している人もいます。
奨学金を借りるということは、借金を負うことと同じです。
借りたことを後悔しないためにも、将来の返済についてもしっかり考える必要があります。
今回は実際に日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金を借りた経験から、第二種奨学金を借りることのメリットとデメリットをまとめました。
奨学金の申し込み手続きは春と秋の2回あります。
これから奨学金を借りる予定の人はぜひ参考にしてください。
- 奨学金をこれから借りる予定の人
- 経済的理由で進学を諦めている人
- 子供の教育費が不安な人
奨学金を借りて感じたメリット
学費を用意でき、進学することができる
奨学金を借りることで、大学や専門学校の学費を用意することができます。
また奨学金を借りるには審査がありますが、一般的な教育ローンよりも通りやすく利用しやすいのも特徴です。
奨学金制度については賛否ありますが、奨学金を借りることで経済的な理由で進学を諦めることがなくなります。
金融機関などに比べて低い利率
奨学金は借金と同じですが、金融機関などからお金を借りた時に発生する利率と比べると、奨学金の利率はとても低く設定されています。
例えば、令和3年3月に貸与が終了した人は利率固定方式では利率は年0.369%、利率見直し(変動)方式では年0.040%となっています。
上限はどちらも3%です。
下記のような他の借金(ローン)の利率と比べると利率の低さが分かるのではないでしょうか。
- 消費者金融
・・・下限金利3%、上限金利18%前後 - クレジットカード(リボ払い)
・・・15~18% - 住宅ローン(固定)
・・・平均1~2% - 自動車ローン(ディーラーローン)
・・・平均4~8%
奨学金の利率には、利率固定方式と利率見直し(変動)方式があります。
どちらも上限は3%です。
利率固定方式
・・・貸与終了時の利率で固定され、返済終了まで変わらない。
利率見直し(変動)方式
・・・5年ごとに利率の見直しがあり、その時の日本の経済により利率は上下(変動)する。
減額や返還期限を延長することができる
奨学金は相談をすれば、救済措置の制度を利用して減額や返還期限を延長することができます。
救済措置の制度を利用するには、もちろん条件はありますが、金融機関などに比べると利用しやすい制度になります。
万が一奨学金の返済が払えなくなった場合には、そのままにせず必ず相談し救済措置を利用しましょう。
救済措置については↓の記事を参考にして下さい。
お金について真剣に考える機会になる
奨学金はお金について真剣に考えるきっかけになります。
家庭でお金の話をすることはタブー視されがちのため、学生の頃にはお金について真剣に考える機会がないかもしれません。
しかし奨学金を借りる時には家族と話し合うことになるはずです。
奨学金を借りて感じたデメリット
卒業後、経済的負担になる
卒業後には奨学金の返済が始まりますが、借りていない人と奨学金の分、卒業した直後から経済的に差が生まれます。
奨学金は借金ですから、毎月の返済が必ずあります。
そのため就職後から決まった金額を返済分に確保しておかなければいけません。
(原則として毎月27日に引き落とされる)
新卒の場合貰える給与も少ないため、奨学金の返済は経済的に負担になります。
長期の返済になる
奨学金の平均返済期間は平均すると14~15年です。
最長では20年とされています。
就職する年齢は高校卒業新卒では満18歳、2年制専門学校の新卒は満20歳、4年制大学卒業の新卒では満22歳、修士課程を修了した新卒の場合は満24歳になります。
新卒で就職後、繰り上げ返済をせずに最長の20年間で返済すると考えると返し終えるのはそれぞれ下の年齢になります。
高校卒業新卒→満38歳
2年制専門学校の新卒→満40歳
4年制大学卒業の新卒→満42歳
修士課程を修了した新卒→満44歳
精神的にストレスがかかる
奨学金は毎月の返済となるので精神的にストレスがかかる人も多くいます。
特に奨学金を借りていない人と比べてしまうと余計にストレスに感じるようになります。
精神的なストレスを解消するには繰り上げ返済の制度を利用して、早く返すしかありません。
繰り上げ返済については↓の記事を参考にして下さい。
まとめ
奨学金を借りることのデメリットばかりがニュースになりがちですが、私のように奨学金を借りることで進学できる人達も沢山います。
もちろん借りた人と借りない人との経済的な差は存在するので、出来れば借りない方がいいとは思います。
しかし高校新卒と大学新卒では生涯年収に5,000~6,000万円の差があることが分かっています。
参照:ユースフル労働統計 2019 「21 生涯賃金など生涯に関する指標」(リンク先:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
そのため経済的な理由で進学を諦めている人は、一度奨学金を借りることを検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。